それは、人ではなかった。  姿形は人そのものだが、問題はその大きさだ。背の丈は猫である自分よりも小さく、 背には透き通るような薄い羽が生えている。鳥や虫にも見えたが、たとえどれほど小さ くとも、見覚えのある顔貌は人そのものだった。顔にはまだ幼さが残り、少女といって も差し支えがないかもしれない。  透明なガラスの窓を挟み、その奇妙な人のような生き物と、しばしの間、見つめ合った。

 

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